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誰にも教えたくないレコードを聴く

アマチュア・オーケストラでヴィオラを弾いています。 過ぎ去りし日、森の中でクナッパーツブッシュのブルックナーの「ロマンティック」交響曲を聴いてこの世界に入りました。一曲を徹底的に聴き比べます。


四季の舞台を見て、映画をレンタルし、サントラCDをオークションで購入。
アンドリュースの声はかわいくてとてもいい。
曲はもう名曲の宝庫。
60年代のミュージカルの雰囲気濃厚な楽団の音楽もドラマに寄り添っていてぞくぞくする。


コンスタンツェのアリア"Mortern aller Arten"は、
オペラ「後宮からの逃走」の中でもひときわ輝く名曲だが、
誰の歌が最高だろうか?

カラスに触発されたわけだが、これは伊語なので、ちゃんとした独語で聴いてみたくなる。
ヴァイオリン、チェロ、フルート、オーボエのソロを含むオーケストラ部分も実に面白い。

ドイツのコロラトゥーラといえばやはりベルガーだ!


米ゴールデン・エイジ・オブ・オペラ EJS584
○モーツアルト:「後宮からの逃走」抜粋
エルナ・ベルガー、ヘルマン、他
イッセルシュテット指揮NDR響
1946年放送録音
○ヴェルディ:「アイーダ」抜粋
マザロフ、他
ワルター指揮ウイーン国立歌劇場
1937年実況録音


このレコードは、ワルターの「アイーダ」が聴けるということで探したのだが、
前半の「後宮」の方が聴き物である。
劇場録音ではなく、拍手のない放送録音のようで、音は悪くない。
特に声楽部分はとても良く録れている。
NDRの活気ある伴奏に乗って、ベルガーの本領が聴ける。
女らしい含み声に柔らかなニュアンス。快い高音。
これは全曲ソフトもでているのだろうか。

"Mortern aller Arten" (「あらゆる責め苦が待ち受けていても」)。

Martern aller Arten
Mögen meiner warten,
Ich verlache nur dein Dräun !
Nichts soll mich erschüttern,
Dann nur würd'ich zittern,
Könnt'ich untreu jemals sein.

laß dich bewegen !
Verschone mich !
Des Himmels Segen
Belohne dich !
Doch dich rührt kein Flehen,
Standhaft, sollst du sehen,
Duld' ich jede Qual und Noth.
Ordne nur, gebiete,
Drohe, strafe, wüthe,
Zuletzt befreit mich doch der Tod !

あらゆる種類の責め苦が
私を待っているとのこと。
しかし、私は悼みも苦しみも笑って過ごします。
何も怖くはありません。
私が怖れるのは
私自身が操を失うことです。

どうぞ、哀れと思われて
私をお赦しください!
神さまの祝福が
あなたの上にあるでしょう!
しかし、あたなは心を決めておられる。
それならば、喜んでなにも厭わずに
どのような苦しみでもお受けします。
命じてください。
怒り、吠えてください。
死が私を自由にしてくれるまで。


マリア・カラスの歌うモーツアルトっていいんだろうか?

結構若い頃の録音が残っている。
「後宮からの逃走」から第2幕のコンスタンツェの長大なアリア、
「あらゆる責め苦が待ち受けて」だ。


URANIA RM11.916
マリア・カラス RAIリサイタル
○1952年2月18日、RAIローマ
「マクベス」「ナブッコ」「ルチア」「ラクメ」より
デ・ファブリティース指揮

○1954年12月27日、RAIミラノ
「後宮からの逃走」「ディノラ」「ルイーズ」「アルミーダ」より
シモネット指揮


映画「アマデウス」でも印象的に使われたこのアリア。
リズムとメロディーの変化、つながりがすこぶる気持ちいい。
さすがカラス!イタリア語歌唱で、感情移入がすごい。


マリア・カラスのライヴってどうして音のひどいのばかりなのだろう?

スカラ版『椿姫』の1955年といえば、
バイロイトではステレオの「さまよえるオランダ人」に、
最近テスタメント社からリリースされて評判となった「リング」4部作があり、
放送音源でもクリュイタンスの「タンホイザー」はとても音が良い。
ミュンヘンでもクナの「マイスタージンガー」や「神々の黄昏」が高音質で蘇っている。

こうしたオペラの記録保存に熱心だったのは、
ナチス時代のドイツに、アメリカとイギリスくらいのもので、
カラスが主に活躍したイタリアでは、記録に残すなどという文化がなかったのだろう。
放送局など、カラスが出ていようがなんだろうが放送が済んだらテープは処分していたらしい。
やはり聴けるだけありがたいと思うほかはないようだ。


清流出版
「歌劇場のマリア・カラス~ライヴ録音に聴くカラス・アートの神髄」
蒲田耕二著
〈付録CD〉
○「ノルマ」より3曲(1955年スカラ座)
○「夢遊病の女」より2曲(1957年エジンバラ)
○「ランメルモールのルチア」より3曲(1955年スカラ座)
○「メデア」より1曲(1958年ダラス)
○「ナブッコ」より3曲(1949年ナポリ)
○「トロヴァトーレ」より1曲(1953年スカラ座)
○「椿姫」より3曲(1955年スカラ座)


状態の良いプライヴェートLP等から音を採り、
国内の小さな業者にマスタリングを依頼したというこのオマケCDは大変な高音質だ。
例の「椿姫」は1幕から、
・「奇妙だわ(E strano!)」
・「ああ彼こそはきっと(Ah, fors'e lui)」
・「いつも自由に(Sempre libera)」
が入っているが、オケの低音が豊かで、カラスの声も艶があり雰囲気豊か。
音源となったLPが表示してあるとありがたいのだが・・・


ライトナーの指揮でグラインドルのグルネマンツが聴ける。
作曲者が言うような発音の明確さが際だち、独語の美しさが堪能できる。
その点ではホッター以上と言えるだろう。

1952年、シュトゥットガルトでのセッション録音の「パルジファル」。
DGGのレコードは入手困難。この2枚のCDで3曲が聴ける。

黒い方。
第1幕の"Titurel, der fromme Held"
グルネマンツが語る長大な先代ティトゥレル王の物語だ。
赤い方。
第3幕の"Von dort her kam das Stohnen"
幕開け、クンドリーを春が来たといって起こす場面と
"Das ist Karfreitagszauber"
最高の場面=聖金曜日の音楽だ。



Preiser 90124
ヨーゼフ・グラインドル アリア集
「フィガロの結婚」「魔笛」「ユダヤの女」「ファウスト」「ドンカルロ」
「タンホイザー」「マイスタージンガー」「神々の黄昏」「パルジファル」
「ボリス・ゴドノフ」より

Preiser 89602
ヨーゼフ・グラインドル アリア集
「ローエングリン」「マイスタージンガー」「ドンカルロ」「リゴッレット」
「マルタ」「ファウスト」「バラの騎士」「さまよえるオランダ人」
「パルジファル」より