誰にも教えたくないレコードを聴く

アマチュア・オーケストラでヴィオラを弾いています。 過ぎ去りし日、森の中でクナッパーツブッシュのブルックナーの「ロマンティック」交響曲を聴いてこの世界に入りました。一曲を徹底的に聴き比べます。

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

イメージ 1

★レチターティーヴォとロンド
「わが憧れの希望よ。ああ、あなたはいかなる苦しみか知らない」KV416
Recitative and Rondo for soprano "Mia speranza adorata. Ah, non sai qual pena."
(編成 S, 2 ob, 2 fg, 2 hr, 2 vn, 2 va, vc, bs)
ト短調(レチタティーヴォ)-変ロ長調(ロンド)

最愛のアロイジアのために1783年に書いた佳曲。
アンフォッシが作曲したオペラ「ゼミーラ Zemira」の第2幕第5場から詞がとられている。
主人公のガンダルテが蒙古王アクバールに婚約者ゼミーラを譲るか殺すかの瀬戸際の選択に迫られ、
彼女とその父の前で歌う、別れの心情を吐露する悲劇的アリア。

[GANDARTE]
Recitative:
Mia speranza adorata!
Ah! troppo è a noi l'ira del ciel funesta;
L'ultima volta è questa,
Ch'io ti stringo al mio seno. Anima mia,
Io più non ti vedrò.

(to Sarabes)
Deh, tu l'assisti, tu per me la consola.

Addio, Zemira,
Ricordati di me! Senti . . . che vedo? . . .
Tu piangi, o mio tesoro! Oh, quanto accresce
Quel pianto il mio martir. Chi prova mai
Stato peggior del mio!
Addio per sempre, amata sposa, addio!

Aria:
Ah non sai qual pena sia
Il doverti, oh Dio! lasciar;
Ma quel pianto, anima mia
Fa più grave il mio penar.
Deh, mi lascia, oh fier momento!
Cara sposa, ah, ch'io mi sento
Per l'affanno il cor mancar!
A quai barbare vicende
Mi serbaste, avversi Dei,
Dite voi, se i casi miei
Non son degni di pietà.

レチタティーヴォ:
わが愛する人よ
ああ、あまりにも大きい不吉な天の怒りがふたりの上にある
これが最後です
あなたをこの腕に抱くのは
二度とあなたには会えない

どうぞ力になって
彼女を慰めてやって下さい

さようなら、ゼミーラ、
忘れないで。

おや……

何のこと
あなたは泣いているのですか、ああ、そんなに泣かれては私の苦しみも増すばかり
だれもこれほどの
苦しみに会った者はない
さようなら、永遠にさようなら、いとしい妻よ、さようなら。

ロンド:
ああ、わかってはくれないだろうね
別れなければならない苦しみを
そしてあなたの涙は
私の苦しみを増すばかり

ああ、放してくれ、ああ悲しい時よ

いとしい妻よ、私の心は悲しみに
崩れ折れそうだ
どうしてこのようなむごい試練を
神よ、私に与えたのですか
言って下さい、私の定めは
ご憐憫に価しないのですか。

訳:石井 宏



このK416は、断ち切れぬ想いのアロイージアとウィーンで再会したモーツアルトが、
万感の思いを込めて彼女のために書いた最初のアリアだった。
一説によると、死の年、既に自分の死を予感していたモーツアルトは、
これが最後の作品になると覚悟していた「レクイエム」にこのアリアの旋律の一部を潜ませて、
アロイージアに最後のメッセージを託したとういうことである。
確かに、7小節からの伴奏の動きは、「レクイエム」の雰囲気そのものである。
だとすると、彼が本当に愛していたのは、妻のコンスタンツェではなくて、
美貌と美声の持ち主だったアロイジアだったということになる!


Berlin Classics 0092832BC
モーツアルト
コンサートアリアKV416"Mia speranza adorata"
シルヴィア・ゲスツィ(ソプラノ)
オトマール・スイトナー指揮
シュターツカペレ・ドレスデン
1970年
(8分33秒)
+KV74b,KV88,KV70,KV368,KV419

 
東欧の名花、ハンガリー生まれのゲスティ36歳のレコーディング。
アリアで4か所あるコロラトゥーラの超絶なパッセージが胸のすく見事さ!
加えて声自体の美しさ、ドラマティックな情感、含んだような女らしい余韻、
いずれも素晴らしく、最高の録音である。
最高音のFも決して金切り声になったり、短めに切り上げたりせず、
十分な美しさをもって響かせているし、
フレーズの入りを、アクセントをつけてはっきり入ったり、
柔らかくソットヴォーチェで入ったりと曲想に合わせて様々な変化をつけている。
伴奏がまた素晴らしく、絶妙のハーモニーである。
歌の良さをスポイルしない東独のエテルナ・サウンドが魅力的で、
停滞しない疾走するモーツァルトを実現するスイトナーの棒も理想的。
速いテンポが小気味よいKV419も入っていて、
繰り返し聴き続けたい宝物級CDである。

※この記事の投稿時刻が・・・
「レクイエム」のケッヘル番号(KV626)と同じ、6時26分になっていた!!

関連記事
スポンサーサイト
コメント
コメントの投稿
URL:
本文:
パスワード:
非公開コメント: 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック URL
http://knapper2.blog.fc2.com/tb.php/87-df56dc4c
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
トラックバック
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。