誰にも教えたくないレコードを聴く

アマチュア・オーケストラでヴィオラを弾いています。 過ぎ去りし日、森の中でクナッパーツブッシュのブルックナーの「ロマンティック」交響曲を聴いてこの世界に入りました。一曲を徹底的に聴き比べます。

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ニュヨーク、メトロポリタン歌劇場。
最高のMimiだったLucrezia Boriが1936年に退いた後、
その座を継いだのが南米リオデジャネイロ生まれの、Bidu Sayao。
何度も"La Boheme"の舞台に立ち、レコーディングもたくさん。
先輩Boriほどの雰囲気のある女らしさは望めないが、
先輩譲りの透明で清潔な声。声量も十分あって力まずに声が流れ出てくる。
何でも、名歌手&名教師のJean de Reszkeの最後の教え子で、
18-19歳の2年間レッスンを受けている。
活躍した期間も長い筋金の入った歌い手さん。
ルックスもなかなか良く演技もうまそうだ。
彼女の34歳時の公演を聴く。

米Walhall Records WHL13 (2CD)
Puccini "La Boheme"
Bidu Sayao : Mimi
Armando Tokatyan : Rodolfo
Giuseppe de Luca : Marcello
Ezio Pinza : Colline
Annamary Dickey : Musetta
cond. : Gennaro Papi
Orchestra & Chorus of the Metropolitan Opera Hause, N.Y.
Feb. 10. 1940

いやあ、パピの指揮は最高!力点への打ち込みがただごとではなく、
推進力やうねる呼吸感もすばらしい。歌手が勝手なテンポで歌っている、とかで
この時代の演奏は切り捨てられているが、決してそんなことはない。
指揮者が全体をしっかり把握し、劇場をコントロールしている。
4幕の悲劇のまえのバカ騒ぎのところなど、客の笑いも起こっているが、
圧倒的な音楽。そして、突然不吉な和音が炸裂しミミが担ぎ込まれる・・・

サヤンのミミはとてもキュート。終幕でも最後まで凛々しく美しい歌唱を聴かせ、死んでいく。
おばさんっぽい瞬間は全くなく、ミミという役柄を信じながら聴くことができた。

何といってもすごいのが低音のお友達2名!
デ・ルカ(64歳)とピンツァ(48歳)だ。
黄金時代の生き残り、ジュゼッペ・デ・ルカ。バリトンなのに、なんという甘い声!!
歌い始めるだけでぞくぞくする。
音楽が、歌詞が小気味よく進んでいく。3幕のミミとの重唱、それに続くロドルフォとの重唱で
たっぷりとルカの実力を味わうことができた。
最高のバス=ピンツァも、4幕の外套の歌で深く渋くそれでいて重ったるくならない見事な歌。
歌い終わって拍手が来て、短い後奏のあともう一度拍手が来る。

このCDは音も結構良く魅力的。五つ星だ。
残念なのは、3幕のミミの別れのアリアで、終わりのところが切れている。
アセテート盤の欠落のためだそうだ。

余白に、同じMetの1935年3月23日の公演の一部が入っている。
デ・ルカとピンツァは同じ役で出ていて、Mimiが大プリマドンナのRethberg、
ロドルフォはJagel。5年古い分、音が悪く、Bellezzaの指揮がイチニ、イチニ、という感じの
やぼったいもの。いかにパピの指揮が生き生きとした音楽を作っているかがわかる。

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