誰にも教えたくないレコードを聴く

アマチュア・オーケストラでヴィオラを弾いています。 過ぎ去りし日、森の中でクナッパーツブッシュのブルックナーの「ロマンティック」交響曲を聴いてこの世界に入りました。一曲を徹底的に聴き比べます。

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ギュンター・ヴァントのブルックナー。晩年、NDR響、ベルリンフィル、ミュンヘンフィルと毎年ブルックナーを振り続けた演奏の数々は、90年代、2000年代最高水準として評価が高い。確かに、解剖的なまでに対位法の面白さが伝わる5番(NDR)や、初めて聴くようなハーモニーの妙がところどころ聴かれ胸が膨らむような8番(ベルリンフィル)、9番(ミュンヘンフィル)の録音には感服させられたものだが、期待120%で臨んだ来日公演の9番(NDR)で?マークがたくさん付いてしまった。
大沸騰のコンマスを始めオケの熱演ぶりはよくわかるのだが、音楽に余裕と余韻がない。目一杯弾かれたフレーズにはあまり美しさが感じられず、世紀の演奏に立ち会っているという感覚とのギャップに戸惑ったものだった。


TDK TDBA-0079(DVD)
ブルックナー:交響曲第4番変ホ長調「ロマンティック」(第2稿ハース版-1936年旧版)
(18:26/16:13/11:33/22:28)
NDR北ドイツ放送交響楽団
ギュンター・ヴァント指揮
(+ベートーヴェン:序曲「レオノーレ」第3番)
1990年6月24日、リューベック大聖堂でのライヴ


まだカクシャクとしていた頃のヴァントの映像。
カメラワークが金管や指揮者のアップばかりで、オーケストラの弾きぶりが伝わらずもどかしいが、
演奏会場は雰囲気満点の大聖堂。楽員の指揮者への敬意や、楽曲への熱意が尋常でない大熱演。
加えて、ブルックナーに入れ込むヴァントのテンポ設定が素晴らしく、ブロックごとに瞬時に適切なテンポで進行していく様は圧巻である。管楽器のバランス処理は本当に見事で、普通は聞こえないようなフレーズも意味深くハーモニーの中に浮かび上がる。また、残響の長い大聖堂でのトロンボーンの強奏はとりわけ素晴らしい。
しかし、やはりいっぱいいっぱいの音楽をやっている弦に、美しさや寂寥感は感じられず、時空の旅の面白さは半減していると思われる。

ウイーンフィルの映像とはボーイングが違っているところが結構あったり、1936年ハース初版のトリオが映像でバッチリ確認できるところは実に興味深い。

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