誰にも教えたくないレコードを聴く

アマチュア・オーケストラでヴィオラを弾いています。 過ぎ去りし日、森の中でクナッパーツブッシュのブルックナーの「ロマンティック」交響曲を聴いてこの世界に入りました。一曲を徹底的に聴き比べます。

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凱旋の場での、フルオーケストラと合唱のフォルティッシモを突き破って響き渡る
マリア・カラスの超高音3点Esで有名な「アイーダ」。
これにはメキシコの聴衆も相手のテノール歌手も度肝を抜かれたらしい。
1950年と1951年に2年続けてこの「アイーダ」でぶちかましている。
もちろん、スコアにそんなことは全く書かれていない。
彼女自身が、あの頃は山猫のような歌だったと後年述懐しているように、
パワー全開の野放図な歌がこの時代のカラスの魅力。

1950年版は録音がたいへん悪いということで、どのCDにもアリア「勝ちて帰れ」の終わりに5小節の欠落があるとのこと。
ただし、初版のLPにはこの欠落がなく、音も全てのCDがこのプライベートLPに負ける、ということなので、探し出して手に入れた。


米ユニーク・オペラ UORC200(2×LP)
ヴェルディ:「アイーダ」全曲
マリア・カラス(アイーダ)
クルト・バウム(ラダメス)
ジュリエッタ・シミオナート(アムネリス)他
グイド・ピッコ指揮
メキシコ、パラシオ・デ・ベラス・アルテス
1950年5月30日


これが一番音が良いなんて信じられないようなひどい音である。
指揮も単調でオケの音も浅くとても頼りない。
聴くべきはやはり例の超高音の絶叫だ!
3面の頭が第2幕の幕切れになっていて、針を落として数分後、終幕に向けてヒタヒタと盛り上がり、
そしてカラスの3点Esが突き抜ける!聴衆が大騒ぎして幕となる。
なんというドキュメンタリーだろう。これだからライヴ鑑賞はやめられない。

その他、この2幕では名メゾのシミオナートとカラスのバトルが異様な雰囲気を醸し出しており、思わず身を乗り出すことになる。また、第3幕のカラスの歌うロマンツァも濃厚で惹きつけられる。
「勝ちて帰れ」の欠落はないようだが、別の録音で補ったという疑惑もあり、
これはそのうちよく調べてみたい。

CDはこれより音が悪いとういうことだが、次のような発売状況だ。
MELODRAM MEL26009 (1988)
MELODRAM GM 2.0015-10CD (1997)
MYTO 2 CD 002.H043 (2000)
IDIS 343/44 (2000)
FONO ENTERPRISE 1016.17 (2001)

というわけでカラスがメキシコで一泡吹かせた1950年。
戦後5年ということでまだライヴは多くは残されていない。
めぼしい記録といえば、なんと言っても、
フルトヴェングラーが春にスカラ座で「リング」を振った記録。
音もメキシコとは段違いの良好さだ。
夏のザルツブルクの「フィデリオ」と「ドン・ジョヴァンニ」も聴くことができる。
クナは7月の「トリスタン」がある。バイロイトが復活するのは翌年のことである。

明日は51年版を聴いてみることにしよう。

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