誰にも教えたくないレコードを聴く

アマチュア・オーケストラでヴィオラを弾いています。 過ぎ去りし日、森の中でクナッパーツブッシュのブルックナーの「ロマンティック」交響曲を聴いてこの世界に入りました。一曲を徹底的に聴き比べます。

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引き続き、モーツァルト死の前年、1790年の謎の名曲を聴く。

1958年、ハノーファーで結成されたドイツの名カルテット、
ホイトリンク四重奏団にオットー・グラーフが加わった名録音を改めて聴きなおす。


仏EMI 5 72186 2(8CD's)
弦楽五重奏曲第5番ニ長調KV593
1 ラルゲット-アレグロ 9:29
2 アダージョ 7:49
3 メヌエット(アレグレット) 5:33
4 アレグロ 5:17
ホイトリンク四重奏団
(ホイトリンク、ガッテマン、ボールシャイト、ヘスラー)
ハインツ・オットー・グラーフ(ヴィオラ)
1966年録音
+弦楽四重奏曲・弦楽五重奏曲全集


モーツアルトの五重奏はヴィオラが2本。
第1ヴィオラが第1ヴァイオリンと掛け合いで旋律を奏したり、対旋律を奏したりするので
曲に立体感が生まれる。
このカルテットは、ヴィオラのボールシャイトが事実上のリーダーで、
天性のモーツァルティアンともいえるホイトリンクの気品あるヴァイオリンを支え、
曲全体に動きを与えている。

曲の良さ、五重奏の良さがよく分かる名演奏。
ヴェルナー・ホイトリンクのヴァイオリンは、全ての音、全てのフレーズがセンス満点。
決して激せず、はかなさを感じさせるのもこの作品にふさわしい。
内声がとても充実しているが、全体はあくまで本物のカルテットの響き。
鳴り過ぎることはない。
第1楽章の最後は、終わりを感じさせるようにテンポを落とすが、
インテンポでフッと消えた方が良いと思う。
グリラーの衝撃はないが、8分の6のアレグロの終楽章のテンポはこんなものだろう。
オリジナル通りはじめの主題が下降音型になっている。
速くはないが、音楽が停滞せず生きている。
全編を通してどこをとってもモーツァルトの世界に安心して浸れ、
退屈な瞬間を全くもたない最高の演奏である。

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