誰にも教えたくないレコードを聴く

アマチュア・オーケストラでヴィオラを弾いています。 過ぎ去りし日、森の中でクナッパーツブッシュのブルックナーの「ロマンティック」交響曲を聴いてこの世界に入りました。一曲を徹底的に聴き比べます。

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スコッチ演奏史上最も物議を醸す演奏を聴く。


EMI 66868-2
メンデルスゾーン:交響曲第3番イ短調Op56「スコットランド」
(16:46/5:43/11:18/11:00)
*終楽章コーダはクレンペラー作曲
バイエルン放送交響楽団
オットー・クレンペラー指揮
1969年5月23日ライヴ・レコーディング
(+シューベルト:交響曲第7番ロ短調「未完成」)


クレンペラー最晩年の異常演奏。
ベートーヴェンの7番や「フィガロ」のスタジオ録音と同様の別世界のスローテンポで押し通す。
躍動的な第2楽章は、制動の効いたリズム音型で、まるで日本の祭り、和太鼓の興奮に近い。

問題の終楽章コーダは、イ長調の原曲フィナーレ部分を演奏せず、その直前の388小節から先をカット。
代わりにクレンペラーの手による40小節ほどの結尾が演奏される。
騎士の登場を思わせる原曲とは違い、嘆き節の第2主題を中心とした音楽になっている。

この曲の冒頭、ヴィオラと木管で歌われる導入主題は、1楽章の各主題や終楽章のこの第2主題のもとになっている。また、この終楽章は、多く現れる主題がしだいに淘汰されて、最後に主要の2つの主題だけが残るという構成になっている。その点、終楽章を第2主題で終わらせるというクレンペラーの解釈は十分理解できるし、曲全体の構成上望ましいとも言える。

ただ、私は、やはり原曲のイ長調のコーダが好きだ。あまりあっけらかんと演奏されると興ざめな事は事実で、ここをうまく演奏するのは至難の業ではあるが、こういう、突然新鮮なモチーフが飛び出すのがメンデルスゾーンの真骨頂だと思う。

どの楽章も、主要主題よりも、ブリッジのモチーフやちょっとしたフレーズに魅力的な音楽が多い。
ベートーヴェンのように、主題を理論で発展させたというより、乗りに乗っているうちに自然に飛び出したという感じだ。酔っ払いが歌っているうちにメロディーが変わっちゃったという感じでもある。
特に第1楽章は、幾分冴えない冒頭主題や主部の2つの中心主題よりも、橋渡し部分で現れる旋律の方がはるかに魅力的であり、こういうところがメンデルスゾーンのわくわくするところだろうと思っている。

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