誰にも教えたくないレコードを聴く

アマチュア・オーケストラでヴィオラを弾いています。 過ぎ去りし日、森の中でクナッパーツブッシュのブルックナーの「ロマンティック」交響曲を聴いてこの世界に入りました。一曲を徹底的に聴き比べます。

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

ベートーヴェン/ピアノ協奏曲第5番変ホ長調作品73「皇帝」
マリア・ユーディナ(ピアノ)
ラクリン指揮ソビエト国立放送響
1950年12月16日ライヴ
露VISTA VERA VVCD-00075

 4番で虜になったマリア・ユーディナ、5番もあったのだった。
どこをとっても目立たないところなし!埋もれてるところなし!オケに遠慮してるところ全くなし!
普通に感じられるところなし!のすばらしいパフォーマンス。
 特に2楽章には驚く。出だしは遅めで温度も低い。45小節のメロディーはさらりと流れよく進行し、しつこく弾かない。他のピアニストは1拍めを強くしすぎて酒場のグランドピアノみたいな安っぽい音楽になっちゃっている人が多い。
 問題はそのあとのQ(60小節)。完全にマリアが主役。木管のメロディーは遠くで聞こえる。録音のせいだけではない。テンポを決めているのはマリアなのだ。遅いテンポはここだけ別世界に入ったよう。面白いのは、69小節あたりからのデミュニエンドがかかるところ。木管の旋律も切れ切れになり普通は全体的に小さくなって消えていくところ。オケはたしかにそうなのだが、マリアのピアノは違う。むしろ強く、動きのあるあやしい弾き方で転調を強調し、ピアノのオブリガートをいきいきと脈打たせるのだ。この60小節以降は、ピアノは伴奏みたいだし、だんだん消えていっちゃうしで、身を乗り出させる演奏が今までなかった。
 さらに、とっておきは終末に待っていた!3楽章に突入する1小節前。なんと、アウフタクトにアクセントをつけて3楽章の入りを1小節早く予告しているのだ!実に面白い。聴衆にショックを与えるということもあるのだろうが、いかに2つの楽章をドラマティックにつなぐかを考えた結果ではないだろうか。
 
 天下一品の超個性的演奏の第4協奏曲も入っている。

スポンサーサイト
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。