誰にも教えたくないレコードを聴く

アマチュア・オーケストラでヴィオラを弾いています。 過ぎ去りし日、森の中でクナッパーツブッシュのブルックナーの「ロマンティック」交響曲を聴いてこの世界に入りました。一曲を徹底的に聴き比べます。

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
ニュージーランドのKiwi Pacific Recordsから出ている「蝶々夫人」のCDが届きました。
現地のHPにアクセスして直接オーダーしました。
1924年にレコーディングされた同曲初の録音のようです。

ROSINA BUCKMAN; MADAM BUTTERFLY (Puccini)
[SLD-96/97]
$24.95

蝶々さんを歌うバックマンがニュージーランドの人のようです。
ラッパ吹き込みでオペラ全曲とは恐れ入ります。
当時はかなりの人気曲だったのでしょう。
オケはさすがに貧弱ですが、声はしっかり録れています。
ちょっと異様な時間を過ごしました。

buckman_madam butterfly
スポンサーサイト
雨の土曜日。
雨のせいで(おかげで)、仕事の予定がなくなってラッキーでした。

今晩、NHKで宮崎あおいちゃんが蝶々さんを演じるとのこと。
プッチーニのオペラじゃ、こんな可愛い子は出てこないもんなぁ!
祖母役で、私の大好きな藤村志保さんが出ているというので楽しみです。
予約録画&DVD記録決定しました。

puccini_scotto.jpg
さて、朝方、予習を兼ねて、
容姿はあおいちゃんにかないませんが、声の美しさで圧倒的な
レナータ・スコットの実況録音で、
プッチーニの「蝶々夫人」を聴きました。


マリア・カラス・コンプリート・ライヴ・オペラ・コレクション
第4巻は「トスカ」。
彼女が最も役に同化しやすかったキャラクターで、
キャリアの終わりまで歌い続けた役柄だが、
歌の魅力や技術面ではさほど重要視していなかったようだ。
この最も初期のメキシコでの記録は、
低調な出来具合で共演者・指揮者も酷いということで
評判が良くない。
途中で音が途切れてしまう箇所があるのが問題とされてもいる。


プッチーニ:歌劇「トスカ」全曲
Floria Tosca : Maria Callas
Mario Cavaradossi : Mario Filippeschi
Il barone Scarpia : Robert Weede
Cesare Angelotti : Gilberto Cerda
Il sagrestano : Francisco Alonso
Spoletta : Carlos Sagarmínaga
Sciarrone : Francisco Alonso
Un pastore : Concha de los Santos
Un carceriere : Manuel Carreño
1950年6月8日
メキシコ、パラシオ・デ・ベラス・アルテス
ウンベルト・ムニャーイ指揮


復刻に使ったLPは、米HRE盤。
これまた恐る恐る再生ボタンを押すが、まあ聴ける音である。
メキシコライヴとHRE盤は相性がいいようである。見直した。
音の途切れはよく分からなかった。

「トスカ」を全部聴くのは久しぶりである。
囚人との恋に始まり、スカルピアとの長い対決、
尋問への葛藤、殺害の決意、恋人との自由への希望、
そして絶望と、主人公トスカの変化はまことにドラマティックである。

トスカその人となり、そうした変化を見事に演じ切り歌いきったカラスだが、
ここでは、やはり、部分部分で存在感を示すに留まっている。
中では、第1幕のカヴァラドッシとの愛情シーンが濃くていい。
カヴァラドッシ役のテナーは、高音の伸びとパワーで有名なフィリッペスキ。
この役としてはなにか元気過ぎるし、泣きの演技が白けるところもあるが、
ノー天気ともいえる声の威力と伸びで、さほど変化の無いこの役柄としては
いいのではないかと思う。

カラスの活躍する第2幕。
ターニングポイントとなる歌詞への敏感な対応は後年に及ばず、
ヴィーデの深みの無いスカルピアとのやり取りもあまり緊迫感が
感じられない。
指揮のムニャーイは、「半シロート」「歌の後から追いかけて指揮する」など、
ボロクソに言われている恐怖の指揮者だが、
一応曲を通しているし、歌を立てて振ってはいる。
オペラの全曲指揮は、歌手が勝手放題に歌うこの時代にあっては
さぞかし大変だったことだろう。
カラスの歌うアリア、「歌に生き恋に生き」はいつもの素晴らしいカラスで、
かなり長い拍手で演奏が中断している。

第3幕、カヴァラドッシのアリア「星は光りぬ」の後の拍手はそれ以上で、
オケが続きを演奏し始めた途端、アンコールを求める聴衆の拍手が再び起こり、
演奏が中断して、「星は光りぬ」がフリッペスキによってもう一度歌われる。
オペラが大衆芸能だった時代のライヴならではのドキュメンタリーだ。
後半の声の威力は見事だが、前半部分の抒情的な部分にコクがなく、
それほど素晴らしい歌唱とも思えないが、きっと、このアリアを目当てに
聴きに来ている人がほとんどだったのだろう。
2度目は幾分早めにあっさりと歌われるが、泣きの表情は2度目も入れている。

翌々年の再演では、テナーにディ・ステファノを得て、
カラス自身の出来も良いと聞くので、楽しみである。

CDの発売状況は、
LEGATO SRO-820-2
MELODRAM CDM 36032 1992
MELODRAM GM2.0015-10 CD 1997
MYTO 2 CD 002.H042 2000
FONO ENTERPRISE 1018.19 2001
ARKADIA 2CD GA2047 2001


告白の歌聴き比べ、今日は19人聴く。


プッチーニ:「ラ・ボエーム」より「冷たき手を」
第3巻
タウバー(独語)、クリミ、バーク、ピッカヴァー、エルブ(独語)、ボルジョッリ、マメリー(英語)、マレスキ、
デヴリース(?語)、コズロフスキー(露語)、タッカーニ、フリアント(仏語)、チッコリーニ、ピオトロフスキー、
ミンゲッティ、リッチオーニ(仏語)、アイランディ、フォンティーニュ(仏語)


第1面。
はじめタウバーの品の良い声に聞き惚れるも、例のクライマックスでおかしなことに。
ハイCに上がらず、直前のAbを引っ張ったままである。
これは2枚目のセンバッハと同じやり方。ドイツではこの歌い方が流行っていたのだろうか。
または、そういう譜面が出回っていたとか?
好みの声はCrimi / Mummery / Malesci あたり。
絶叫調にならず余裕たっぷりの歌い回しが楽しめる。
ボルジョッリとマレスキにはカットがあった。
クリミは半音下げ。

第2面。
露語で幾分英雄的に過ぎるものの、コズロフスキーの迫力に圧倒される。
素晴らしかったのは、Piotrovsky / Liccioni / Islandi の3人。
語りから始まって次第に感情が高まっていく様子を個性的に表現している。
一貫してロマンティックで力強い頂点を聴かせるピオトロフスキー、
ノーブルな声で余韻が美しいリッチオーニ、
ゆったりと始まってテンポが感情に合わせて自在に変化するアイランディ。
クライマックスの扱いでは、フリアントが、Cに上がる前のAb(四分音符)を極端に短く歌っているのが気になった。
アイランディは半音下げ。


昨日は大発見。今日も張り切って続きを聴こう。


米A.N.N.A.Record Company ANNA1058
プッチーニ:「ラ・ボエーム」より「冷たき手を」
第2巻
スキーパ、マコーマック、ラザロ、ハケット、ウイリアムス、チャムリー、センバッハ、ベッドー、
ラウリ・ヴォルピ、コルティス、ハロルド、ハムリン、ベルティ、ハット、マラック、パッティエラ


1面、スキーパ、マコーマックはさすがの表現力。剛のスキーパ、柔のマコーマックだ。
ウイリアムス、チャムリー、ベッドーは半音下げ。ウイリアムスとベッドーは英語版だ。
"I am"とか"Hungry"とか聞こえてくる。
問題は独語のセンバッハ。
例のクライマックス"speranza"の扱いが変わっている。
このクライマックス、皆が歌っている"opp."によれば、4拍目はAb→Cと上がるのだが、
センバッハはAbのまま上がらずに次の小節のBに上がっている!?
オリジナルのようにEに下がっているわけではないのだ。
中途半端で盛り上がらない解釈だ。

2面はまずラウリ・ヴォルピが凄い。(写真)
例のハイCを伸ばしながら、いったん下げてまたCを出すという装飾を決めている!
バスケでダンクにいっていったん戻して再びダンクにいくというマンガのような荒技だ。
声も力強く圧倒的である。
次のコルテスも素晴らしい。
ラッパ吹き込みが電気録音に変わったのか、音が鮮明でいろいろな楽器の音がちゃんと聞こえる。
ハープも鳴っているし、ヴァイオリンも艶めかしい。
声や歌い回しも自然で豊かだ。
そのあと、ハムリンというテナーがトロトロに甘い声で惹きつけられる。
マコーマックとそっくりの声だ。とてもいい!
ハットは独語、次のマラックは何語だか分からないのが残念。
後半4人は半音下げている。

今日も興味深い聴き比べができた。
LPで片面8人分なら続けて聴いてもなんとか耐えられる。


Che gelida manina,
se la lasci riscaldar.
Cercar che giova?
Al buio non si trova.
Ma per fortuna
é una notte di luna,
e qui la luna
l’abbiamo vicina.
Aspetti, signorina,
le dirò con due parole
chi son, e che faccio,
come vivo. Vuole?
Chi son? Sono un poeta.
Che cosa faccio? Scrivo.
E come vivo? Vivo.
In povertà mia lieta
scialo da gran signore
rime ed inni d’amore.
Per sogni e per chimere
e per castelli in aria,
l’anima ho milionaria.
Talor dal mio forziere
ruban tutti i gioelli
due ladri, gli occhi belli.
V’entrar con voi pur ora,
ed i miei sogni usati
e i bei sogni miei,
tosto si dileguar!
Ma il furto non m’accora,
poiché, poiché v’ha preso stanza
la speranza!
Or che mi conoscete,
parlate voi, deh! Parlate. Chi siete?
Vi piaccia dir!

なんて冷たい小さな手
私に暖めさせて下さい。
探してなんになるんですか?
こんな暗闇では見つかりっこありません。
でも幸いなことに
今晩は月夜で
ここに、私たちのそばに月がいるのです。
待って下さい、お嬢さん、
私が誰で、何をして、どう生活しているか、
ひと言で説明する間だけ。
よろしいでしょうか?
私は誰でしょう?私は詩人です。
何をしているかって?書いているんです。
どう生活しているのかって?生きているんです。
私の楽しい貧乏の中で、愛と詩と歌を王侯のように
惜しみなく費やしていきます。
夢と空想と空に描くお城のおかげで
私は百万長者の魂を持っているのです。
ときどき私の宝石箱から
二人の泥棒が宝石を全部盗んでしまうのです。
美しい目という泥棒が。
たった今も、あなたと一緒に入ってきて
私のいつもの夢
私の美しい夢は
即座に消え失せてしまいました。
しかし盗まれたことは、少しも悲しくありません。
なぜかって、なぜかっていえば
そこは、優しい希望の住処になったからです!
さあこれで私のことがおわかりになったのだから
あなたが話す番です。話して下さい。
あなたは誰ですか?
よかったら話していただけませんか?

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。